コラム

熱い思いは国境を越えれるか

今日から9月です
暑い暑いと言わずがんばりましょう

ではいつもの続きをどうぞ

新しいお花留めの生産拠点を海外にする!
このことは私の人生の新たな挑戦になりました

現在では誰もが
世界中の展示会でロットの少ない商品を
買い付けて輸入することができるようになりましたが

その時の挑戦は
有り物(完成品)を購入することでなく
実際にメーカーを訪れて
外国人である職人の方へ自分の企画意図を説明し
日本人がより好みそうな商品に仕上げてもらうことでした

本当に困難なことなのですが
ご一緒させて頂いた名古屋の社長は
すでに海外でご自身がデザインするフラワーベースを企画製造し
輸入販売して大成功を収めておられた方でした

そんな名古屋の社長が紹介してくれたガラス素材が
管ガラスというものでした

薄くて繊細なそのガラスは
普段の私たちが身近に接するものとして
試験管やフラスコなどに用いられているのですが
デザインの融通の利きやすい特徴から
女性的なフォルムを成形することが可能でした
また手作りで生産できるので
比較的ロットは少なくスタートできることも魅力でした

私は
お水と管ガラスのキラキラ感に
相性の良さを抱いたので
新しいお花留めをこのガラスで作ることに決めました

それから私の企画意図を理解してもらうため
身振りや手振り
絵を描いたり片言の英語で話したりして
伝え続ける努力をしました

一軒目の工場がダメならもう一軒
それがダメなら次の工場
と何件も何件もお願いして廻りましたが
日本の時と同じように
生産自体が難しいと断られたり
望んでいないフォルムを押し付けられそうになったりして
このまま日の目は見ないんじゃないかと考え込むところまでいきました

お付き合い下さる名古屋の社長が
「次の工場でできなかったらあきらめることも大切かも」
とおっしゃった最後の工場で
同じように
身振り・手振り・片言の英語で企画意図を伝えると
「私に任せてください」
と言ってその工場長が作業に取り掛かって下さり
数時間後に私の希望していた
スマートで繊細な浮輪のサンプルを完成させてくれました

あきらめの一歩手前にいた私は
本当に彼に感謝して何度も何度も握手をしたことを覚えています

その後
サンプルをもう一つ作って頂き
それに品番をつけて
浮輪の花留めを大切にハンカチに包んで
抱きかかえるように日本へ持ち帰りました

この商品は
後にちょっとしたブームを引き起こすことになるのですが
今回も長くなりましたので
そのお話はまた後日にさせていただきます

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