コラム

インテリアとしての生花

久方ぶりにものづくりブログを再開させます

昨年末のことになりますが
前回の最後は
PT-07 天使の花入れをご紹介させて頂きました

私たちにとっては
まさにラッキーセブンとなった大ヒット商品でした

この商品は今年のカタログにも掲載されていますが
その売れ行きは現在とは比較になりませんでした

「何故今では売れなくなったのか?」
それを考えるとやっぱりあのころには
お花を気軽に楽しむブームがあったと思います

ブームというと少し勘違いされるかもしれませんね

皆様がご存知の通り
華道の歴史は脈々と受け継がれていますから
あのタイミングで突然に生け花が発祥したわけではありません

私がご案内した「気軽に楽しむ」というのは
お花の先生方などのプロよりの話でなく
心得の無い私たちがそっとお花を飾るような
そういう心持ちの時期であったのでないかと思います

もちろん時代が良かったのでしょう

私がお店をしていた大阪の心斎橋界隈では
毎週のように飲食店や服飾店が開店し
オープンの祝い花が玄関からあふれるばかり飾ってありました

普段のプレゼントの花束にかける費用も
今よりも高額であったと思います

お出迎えの気持ちに生花を使用している
大ホールのエントランスもあのころは良く見かけました

このように手の届く範囲に生花がある日常が
日々のお水替えや残り花をいとおしい気持ちが手伝って
天使の花入れは
爆発的な大ヒット商品になったのではと推測しています

その後のブームに関するお話を少しさせて頂くと

一輪挿しにグリーンの葉やバンブーを入れて演出する方法がとられたり
さらにしばらくして
こけ玉を陶器のお皿に載せて飾ることが今風になったりと
生花からは少しづつ
手間が簡単になるような飾り方が主流となっていきました

本日
何故このようなお話をさせて頂いたかというと
次回に予定しているものづくりのアイテムが
「生花をこんな飾り方する人がいるの!!」
と言われた商品だからです

今だったら私も企画していなかったかもしれません

でもあのころは
作って売れていくだけの時代背景があったのでした

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